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ダボスでギャビン・ウッドが話したこと③『ビットコイン、イーサリアム、そしてポルカドット』

miho


The Big Technology Podcast – Gavin Wood Live from Davos 2022
  の動画翻訳の続きです。

Mipu
Mipu

ここでは『トラストレス』について、もう少しつっこんだ話をしています。

Web3の『トラストレス』は、システムが機能するために、ユーザーは第三者への信頼が必要ないということを意味します。

そしてWeb3は、一部の権威者の意向ではなく、コミュニティー(ユーザー含む)の同意が得られないと書き換え不可能なプロトコル(システムの根幹)が基盤のインフラなんです。

ドットちゃん
ドットちゃん

権威を無条件に信じるべきというようなオールドレガシーが、プロトコルによって必要なくなる時代なんやね。

Mipu
Mipu

ギャビン博士の思想は、ポスト・スノーデンとも言われることがあるよ。

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Alex:理想的とする世界では、その地点に到達したとき、Web3のアプリケーション、あえてここではWeb3のコミュニケーション・アプリケーションと呼びますが、それがどのように問題を解決するかについて話しましょう。

例えばスノーデンが指摘したような問題を解決することができるとか、政府に詮索されないとか、web3が普及するとユーザーにとって今あるものとは違ってどのように見えるかとかね。

Gavin:ブロックチェーンはその非常に重要な要素の一つですが、それだけではありません。ブロックチェーンは主に2種類の異なる技術によって機能します。

一つは暗号技術で、これは基本的な数学です。
もう一つはゲーム理論で、つまり経済学です。


この2つを組み合わせることで 、トラストフリー(トラストレス)で複雑な計算処理をするブロックチェーンが可能になります 。
しかしブロックチェーンは、広く言えばいくつかの種類があって、それはそれぞれ少しずつ違っています。
そして非常に透明性の高いシステムです。

ビットコインでは、すべての取引が公開台帳に記録されており、すべての取引を見ることができます。 イーサリアムもそうです。

現在、このような情報の公共性を減らすことを目的とした技術的手段がありますが、計算を集中化するという不幸な副作用をもたらす傾向があります。
その結果、情報の流れも一部に集中してしまうので、ちょっと問題です。

しかしWeb3は、私たちがどれだけ第三者を信頼しなければならないかを、広いレベルで減らそうとするものです。
信頼することが必ずしも悪いことだというわけではありません。
しかし信頼を必要とするということは、本質的に盲信を意味します。

例えばセキュリティサービスがすべてを詮索しないことを信じるしかなかったり、裁判官や裁判所が公平である事を信じるしかないようなことです。
これは、あまり良い立場とは言えませんね。

信頼するしかないということは、基本的に無力であるということです。
合理的な理由もなく、あなたに何をすべきか伝えてくる恣意的な権威の下に置かれていないことを、確認する方法なんてないのです。

信頼する必要がないようにするためのテクノロジーを構築することが、広義のweb3のテクノロジーセットです。

大雑把に言うと、暗号学とゲーム理論の2つがこれを可能にします

ブロックチェーンは複合技術のようなものです。
また、暗号学の一分野である暗号化という技術もあり、それは通信が秘密であることを保証するためのもので、仲介者を信頼する必要がない方法でコミュニケーションを行うことを可能にします。

2013年以前のインターネットにおける問題の1つですが、インターネットは暗号化されておらず、サービスもhttpでhttpsではありませんでした。

ブラウザの右上にある小さな緑色の鍵のマークは、ほとんどの場合ありませんでした。
最近ではそれはありますし、インターネット上の通信にプライバシーがあることを、少しは信頼できる形で期待できるようになりました。

web3はこのような期待をどこまで実現できるかということを述べているのです。

2013年以前でさえ、私たちは大規模な集団監視をされていないという期待を持っていました。大規模な監視は政府によって行われていないと思っていました。
しかし、それは行われていることがわかりました。

何十億もの人々が世界に対する期待に対してもう少し信頼できる保証があるとすると、技術者として、これ(web3)は正しい方向への一歩だったようだと言うのが私の仕事であるような気がします。もっと話を進めますか?

Alex:そうそう、(ブロックチェーンの)台帳が公であること、そしてそれがプライバシーにとってどのような意味を持つのかもっとお聞きしたいのですが、それは後半に持ち越します。


前半の最後に、私がこのことを調べ始めてからずっと疑問に思っていたことをお話ししたいと思います。

エルサルバドルに行ったとき、ビットコインが法定通貨になるという 国をあげての実験に遭遇しました。
そして、エルサルバドルでビットコインを通貨にする方法について 話しているポッドキャストをいくつか聴き始めたのです。

そして、あなたの話を聞きました。
でも、ビットコインマキシマリストの話を聞くと、彼らはWeb3の人々を嫌っていて、Web3の人々はビットコインマキシマリストに我慢がならないんです。
両者に共通項はあるように思えるのですが。そのライバル関係はどうなっているのでしょう……。

Gavin:ビットコインだけを支持したい人はおそらく、Web3の人々をあまり好きではないのだけれど、Web3のムーブメントにただ参加しているのだと思います。

社会的、技術的な方向性よりも、NFT hype (NFTの誇大広告、NFTバブル)のようなものとして考えているのかもしれません。
私は確実にビットコインマキシマリストと、とても良い関係、良い友人関係を持っています。
ビットコインのマキシマリストと仲が悪そうなweb3の人たちのことは知りません。

おそらく、少し悲しいことですが、ある程度の部族主義のようなものかもしれません。

でも、両陣営の中ににいる「社会運動のためではなく、お金のために」みたいな人たちを除けば、この技術を使って社会をより良い方向に導きたいという思いは共有されていると思います。

Alex:そうですね、もっと共通項があると思います。
例えばジャック・ドーシーのようなビットコインマキシマリストは、web3の話を持ち出すと、それは詐欺だみたいなことを言います。

しかし彼は、同じ技術を同じ目的のために使うのが自分のアイデアだと言っていますね。

Gavin:Yep. (はい。)

(④に続く)

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Mipu
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Web3、ブロックチェーン関連メディアの記事を執筆。初期よりWeb3プロジェクトに参加し、トークンエコノミーの恩恵を受ける。 特にギャビン・ウッド氏の思想に感銘を受け、これからのブロックチェーンやWeb3の発展に期待しつつ最新の情報をキャッチし、できるだけわかりやすい言葉での発信を心がけている。 最近はもっぱらDePINに注目している。
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